言葉の力の偉大さを子供の頃に感じて以来、先人が残した言葉、言葉の連なりとして紡がれた文学、文献の研究に勤しむ著者が、日本の歴史を作り出し、日本人の精神史の領域に深く根を張った魅力的な名言名句を拾い上げたエッセイ集。
古代、中古、中世、近世、近現代の5章に分けられ、言葉やそれを発した人物の詳細がきっちり書かれた歴史書としても参考になり、学校で習った歴史教科書ではまず知り得ない情報
が嬉しい。
絶世の美女としてその名を後世に轟かす小野小町にまつわる幾多の伝説は興味深く、独特な視点で歴史を読み解く日本史探訪エッセイとして楽しめる。 |