昼間はソウル市を中心に団体観光をして回ったが、いたるところ工事、工事で埃っぽかった。第2次経済開発5か年計画実施中であった。高層建造物も少なく、車はバスとトラックが多く乗用車は箱形のダットサンで、日本の昭和30年頃の姿を思い出させてくれた。韓国独特の服を着た老人の姿に悠然とした風格を感じたが若い男の姿はあまり見かけなかった。
私の旅のイズムは、国内でも国外でも、『一人旅』。
暗くなってから屋台で焼酎を飲みながら辛いトッポッキや鉄板焼肉を食べていると、屋台のおばさんも客の50歳以上のおじさんたちも日本語が大変上手で、「日本人ゾロゾロ団体さん。兄ちゃん、一人? 日本人?」と、もの珍しげに話しかけてくれた。若い人(主に女性)は、英語で話が通じた。あたりまえだが、若い男性は兵役中。
ところが、9時ごろになると皆早々に引き上げる。「カーフュー、カーフュー。」 知らぬが仏、夜間外出禁止令のことだった。バーで米軍関係者や技師と飲んで、11時ごろホテルへタクシーで帰ると、玄関に憲兵! パスポートを提示し、これまでどこで何をしていたか質問に答えると、やっと通してくれた。 |