国民的映画の話題は、物語が展開される場所はどこか? どこでロケをしたか? になるのだが、今回は基地と造船と漁業で有名な我らが故郷、佐世保市。美しい自然とアメリカの香りと歴史ロマンの混在した不思議な町だ。ハマちゃんとスーさんが、「第二西海橋」の連結式出席のために一緒に佐世保に出張するという設定。
生まれ故郷ということもあって、思い入れたっぷりで観賞した。佐世保市では、九十九島、四ケ町、外人バーのある一角、ハウステンボス、長崎市ではグラバー園、どこまで行っても百円均一の路面電車の走る長崎市内。
しかし、ハマちゃんが行ったのは佐世保だけではない。なんと、ハメを外しすぎて現地で仲良くなったアメリカ兵ボブ(ボビー・オロゴン)の乗務する艦船にのりこんでしまい、ハワイまで行ってしまう。東京→佐世保→ハワイ(ロケはないが)→東京、とハマちゃんは又もやドジり、艦船がハワイに着くまでの間行方不明として皆を混乱させる。しかしまあ、この男、根っからの釣りバカ。髭ボーボー、無断で乗船し不安でオドオドしつつも、釣りがしたくてウズウズし、星条旗にリールを巻いて深夜の釣りを楽しむのであります。結果、艦内のアメリカ人に見つかり防衛庁や警察を巻き込むニュースの人となってしまうのだが……。
ともあれ、ハマちゃんとボブが息のあったコンビで笑わせてくれる。
今回ハマちゃんが関わるのは、鈴木建設長崎営業所の有能な設計者、久保田達也(金子昇)と彼が思いをよせる河口美鈴(伊東美咲)。達也は美鈴と結婚したいがため本社への転勤を辞退し続けているのだが……。久保田興業の御曹司と佐世保の小さな町の飲み屋の娘ではつりあいがとれない、さらにガンコ者の父親を一人残してお嫁にいくことはできない、と躊躇する美鈴。2人の仲を、ハマちゃんやボブたちがくっつけていく。
物語の舞台が佐世保となると、当然のことながらこの地出身の役者に白羽の矢が向けられる。長崎出身の金子昇やさだまさし(長崎県警の刑事役としてチョイ出演)が好演している。旬の女優、伊東はハッとするほど清楚な美しさで魅了し佐世保弁も悪くない。彼女の父親で外人バー「テリーズ・バー」のマスターに尾崎紀世彦が扮している。元ロカビリー歌手という設定で出演する尾崎は作中、自慢の歌を披露し役柄にピッタシなのだが、佐世保弁はイマいちかな? ボブの佐世保弁の方がウマい。尾崎の歌の中には、ハマちゃんとデュエットで歌う「佐世保賛歌」とも言えるカントリー風の 《MY LOVELY TOWN》 もある。
すべてが丸く収まり一件落着。「浜崎は今日もダメだった」も何のその。懲りないハマちゃんは、釣りと家庭をこよなく愛し、次もドタバタやってくれるのでありましょう。仕事に自信をなくしたら「釣りバカ」を観ることをお薦めしたい。 |