何かを始めるきっかけは本当に様々だ。ダンス歴約40年の松元さんがダンスを始めるきっかけは、まだ大学3年生の時だった。高校時代は放送部に所属し音響関係に詳しかった松元さんは、同期の故・杠(ゆずりは)さんから、「60円ダンスパーティーを開催するので、手伝って欲しい」と依頼された。松元さんはそれまでダンスに全く興味などなかったが、幡ヶ谷公民館で200人近い人々が華麗に舞う姿をみて興味をもった。踊っている男女の顔が実にいきいきとし、緊張と興奮が伝わったのだ。
就職し仕事におわれ、すぐにダンスを始めるには至らなかったが、ようやく会社員生活が落ち着いた頃、地域にあるダンスサークルに加入して始めた。ダンスに魅せられた時から7年後、松元さんが28歳の時だ。
現在の住まいがある国分寺市にはダンス歴と同じほど長く住んでいる。つまり、松元さんは国分寺市で長い会社員生活を送り、平行してダンス生活を続けてきた。定年退職し時間的に余裕ができた現在、週5日、午前中7:30〜10:00は地元のスーパーで働き、10:00〜12:00はジムでストレッチに励んでいる。土日は朝から夜までダンスのレッスン、国分寺市ダンススポーツ連盟の会長として、忙しく過ごしている。
「ダンスは歩き方をまちがえると膝を痛めます。筋肉トレーニングはダンスには不向きです。体がしなやかに動くように心がけており、体が動く限り80歳ぐらいまでダンスを続けたいと思っています。ダンスに一番必要なのは、やはり集中力ですね。ファイナルに残るには、5回程戦うのですが、1回毎のわずか1分半の短い時間は緊張でガタガタ状態ですが、それが何とも心地よくやめられません。」
そう語る松元さんのダンス戦歴は、JDSF(日本ダンススポーツ連盟)スタンダードD級、ミドルシニアスタンダードC級、ラテン3級だ。ちなみにダンスはスタンダード(ワルツ、タンゴなど)とラテン(キューバンルンバ、チャチャチャなど)の2種類に分けられ、レベルはそれぞれA〜D、1〜6級の10段階評価となっている。「6級」からスタートし最高位の「A級」に到達するのがダンサーたちの目標だ。 |