「本当は昔から興味がある南米を希望していたのですが、なぜかアジアの国の仕事ばかり紹介されるのです。佐世保生まれの私がマイナス30度のモンゴルに耐えられるか心配でしたが、それが草原の国が大好きになっちゃったんですよね。遊牧民族の誇りを強く感じました。今度は自分から希望してモンゴル行きを決めました。でも、いつかは南米で日本語を教えてみたいですねえ。そのために次はスペイン語の勉強をしようかなと思っています」
2006年も残すところ僅かとなった師走のある日、モンゴルへの再赴任を前に最後のつめをするために東京で研修を受けていた金ヶ江さんは、時間をやりくりして取材を快諾してくれ、そう語った。気がつくと海外生活を繰り返しているので、金ヶ江さんの風貌は日本人離れしてみえる。多くの海外生活者が久しぶりに帰国した時、人々に与える印象のように。
一つの仕事が終わると故郷の佐世保に帰省する。故郷はいつも変わらぬ姿で金ヶ江さんを包み込んでくれる。不在が多いので同窓会に頻繁にでることはできないが、常に連絡をとっている友人たちのおかげで、機会があれば同窓会に幾度か出席してきた。 |